院長室

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ハイドロリリースが効かぬわけ

ハイドロリリースは超音波装置(エコー)下に筋肉、筋間を

観察しながら、生理食塩水を注入して血管や神経の圧迫・牽引

を解放する治療法です。

 

浅い部位を描出する機能があるエコーじゃないといけないし、

やたらめったら打っても効かないのである程度の訓練は必要に

なります。この地域で実施している機関が少ないので、結構

問い合わせがあります。

 

実際にやってみると、直後から楽になる人と何も変わらない人

がいます。不変の人は性格が悪い…わけじゃなく(笑)効く

病態ではないのではないかと言えます。上記のように筋間を

拡げて血管神経を解放する理屈なので、そこに異常が無ければ

ただ水を注入しているだけ、になってしまうわけです。

 

残念ながら施行前に効・無効を判断する検査がないので、まず

やってみてどういう反応をするか、を観察するしかないのが

実情ですが、期待が高すぎると申し訳なく思います。

 

では無効の場合、どういう病態が想定されるでしょうか?

いくつか挙げられますが、まずはより高位で圧迫がある時。

例えば頚椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と言った脊髄

の中の問題です。ここに針を刺したら必殺仕事人になっちゃい

ますので、手術も選択肢になります。検査はMRIですね。

 

あと鉄不足や血糖乱高下と言った栄養の問題。これらは

単独ではなく混在することもあるので厄介です。しかも健診

レベルでは見逃されやすいのも放置される原因です。こちら

はまずは血液検査による分析が必須です。

 

ハイドロリリースに限らないですが、極力病態を分析して

行った方が効率は上がると思います。

2022年2月17日 木曜日

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