院長室

« 7月 2024 3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

ハイドロリリースが効かぬわけ

ハイドロリリースは超音波装置(エコー)下に筋肉、筋間を

観察しながら、生理食塩水を注入して血管や神経の圧迫・牽引

を解放する治療法です。

 

浅い部位を描出する機能があるエコーじゃないといけないし、

やたらめったら打っても効かないのである程度の訓練は必要に

なります。この地域で実施している機関が少ないので、結構

問い合わせがあります。

 

実際にやってみると、直後から楽になる人と何も変わらない人

がいます。不変の人は性格が悪い…わけじゃなく(笑)効く

病態ではないのではないかと言えます。上記のように筋間を

拡げて血管神経を解放する理屈なので、そこに異常が無ければ

ただ水を注入しているだけ、になってしまうわけです。

 

残念ながら施行前に効・無効を判断する検査がないので、まず

やってみてどういう反応をするか、を観察するしかないのが

実情ですが、期待が高すぎると申し訳なく思います。

 

では無効の場合、どういう病態が想定されるでしょうか?

いくつか挙げられますが、まずはより高位で圧迫がある時。

例えば頚椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症と言った脊髄

の中の問題です。ここに針を刺したら必殺仕事人になっちゃい

ますので、手術も選択肢になります。検査はMRIですね。

 

あと鉄不足や血糖乱高下と言った栄養の問題。これらは

単独ではなく混在することもあるので厄介です。しかも健診

レベルでは見逃されやすいのも放置される原因です。こちら

はまずは血液検査による分析が必須です。

 

ハイドロリリースに限らないですが、極力病態を分析して

行った方が効率は上がると思います。

2022年2月17日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ