院長室

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なぜ予約制にしないか

これまで何度か書いてきましたが、最近また問い合わせが多い

ので改めて。予約制の是非、というか可否についてです。

 

コロナの影響もあって、患者さんからすると病院には長時間

滞在したくない、できれば予約で最小限の時間に留めたい

という希望があるのは頷けます。待たせるのは気を揉むので、

僕としても予約制の方が本当は良いんです。

 

大きな病院などでは予約制が当然ですし、僕も勤務医時代は

予約制での診察でした。耳鼻科では開業医でも予約制が多い

ですね。患者・医師にとって win win なのに、大病院などでは

実践してるのに、なぜあまり採用されていないのでしょう?

理由は大きく2つです。

 

まずはたいてい予約通りに行かないから。(^ ^;)完全予約制

にしたとしても急な不調や、直接来院された方を診ないわけ

にはいきません。そうすると予約の間にねじ込んだり、後回し

にしたりと結局予約制にした意味なくね?!って展開になり

ます。また、だいたい5分に1人とか10分に3人って感じで

予約を埋めていきますが、その日の診察にかかる時間は患者

さんによって全く違うので、時間は目安にしかなりません。

予約時間に必ず診療できる保証のない予約、ってことになる

わけですね。これは場合によってはトラブルの種にもなって

しまいます。

 

次に、売り上げが減るから。(笑)予約制にするということ

は診療可能人数の上限を決めることと同義です。そうすると、

経営的な上限もこちらで設定してしまうことになります。計算

が立ちやすいという利点がある反面、保険診療では予約料を

請求できるわけではないので、予約制にする前より収入が

減ってしまう恐れがあります。患者さんをしっかり診たい

から15分に1人の予約にしよう!…なんてやったら3時間で

12人しか診察できません。ソッコー潰れます。(^ ^;)

 

まあ上記をクリアできるのなら予約制にした方がいいと思い

ますが、現実的には難しいです。やるなら1週間のうち1日

だけ完全予約外来にするとか、Bスポット治療は火曜だけ

集中的に実施するなどの工夫が必須でしょう。

 

栄養療法でも検査結果の説明にはかなりの時間を要するので、

後の患者さんを待たせてしまうことがしばしばです。申し訳

ないと思う反面、上記理由から予約制にする予定はありません。

ゴメンちゃい。…ってかわいく言ってもダメか。そもそも、

かわいくねーか。

2020年11月9日 月曜日

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