いやぁ、昨日の大相撲春場所優勝決定戦は感動しましたね。
相撲にさして興味のない僕も興奮しました。悪役扱いされている
照ノ富士がかわいそうではありますが、横綱稀勢の里はまさに
神々しかった。相撲女子ならぬ相撲オヤジになろうかな、いや
ネーミング悪いからやめよう、と冷静でもありましたが。
さて、そんな稀勢の里の左肩に大仰に貼られたテーピング、
痛々しかったですね。患部の動きを制限するように固定して
いるわけですが、通常このようにテーピングとは「固定」の
ための材料と思われています。しかし、実はそれは効能の半分
で、残り半分はむしろ「良い動きを誘導する」ために使います。
筋肉や皮膚の動きは解剖学的に決まっているものです。その
生理的動きが例えば姿勢とか、使いすぎとかで変化してしまう
と、各所に不具合が生じます。症状で言うと痛みやしびれ、
重だるさやむくみなどです。こういう場合に、上手にテーピング
することで、正しい方向に動きを誘導でき、症状緩和に繋がる
わけです。
補助的な治療であることはもちろんですが、何と言っても自分で
処置できる点が秀逸です。コツは必要ですが、一度覚えれば、
自分や家族にも処置できるようになります。僕も肩こりが強い
時にコッソリ貼ってます。(笑)
逆に最大の問題は皮膚のかゆみです。これはテーピングのみならず
貼付材の宿命ですが、アレルギーのある方は別にして、貼り方の
工夫で随分軽減もできます。整形外科でテーピングと言うと軽く
扱われてしまいがちですが、解剖学や皮膚運動学に根ざした興味
深い治療法です。