当院に限らず、栄養療法を受けている方はとかくタンパク質
の重要性を懇々と説かれていると思いますが(笑)、それは
ひとえに細胞や酵素を作る材料がタンパク質だから。疲れて
グッタリしている時に緊急避難的に糖質を摂るのはやむを得ない
ですが、根本はタンパク不足を改善することです。
では、そのタンパク質が足りているのかいないのか、を知り
たいわけですが、血液検査項目に「血清総タンパク」という
項目があります。これは血液の中のタンパク質量、という
ことですが、脱水状態だと見かけ上、上昇してしまったり
するので実際には他の様々な項目を見て判断しています。
で、タンパク質は身体を構成する細胞の材料になるだけで
なく、薬やホルモンの運搬役でもあるのです。さらに
この時期流行する感染症に対抗する抗体もタンパク質から
作られます。と言うことは、タンパク質不足の人は、風邪に
罹りやすいだけでなく薬も効きづらい、ということになる
んですねぇ。
タンパク質の必要量は年齢や性別、活動性によって変わる
ので一概には言えませんが、おおよそ体重1kgあたり1gが
最低量のようです。体重60kgの人ならば60gは摂ろうね、
ってこと。成長期ならその倍は必要でしょう。牛肉100g
のうちのタンパク量は8g程度らしいですから、クリアする
のは結構難しいです。
そしてタンパク質は腸内環境が悪い人は消化吸収が悪化する
という問題があります。そして糖と合体したタンパク質は
その効力を失うという特性もあります。タンパク質不足の
改善には単に量を増やすだけでなく、腸を労って糖質を減らす
ことが実は優先度が高いのです。