院長室

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ビタミンCは流れちゃう?

栄養療法を行っていると、食事の指導に関連してビタミンやミネラル

の重要性に言及することが多いです。その中で結構言われるのが、

「ビタミンってすぐ身体の外に流れちゃうんでしょ?」

というもの。その後に続くのが

「だから、そんなにたくさん摂る意味あるの?」

です。今日はこの辺の解説を。


まず「流れてしまう」というのは尿の中に排泄されてしまう、という

ことですが、これは吸収がされていないわけではありません。口から

入れる限り吸収は腸で行われますから、尿に出るということは一旦

吸収はされているということです。そして尿という水分に溶けるのは

主にビタミンB群とビタミンCです。これらは水に溶けて油に溶けない

ので、油でできた細胞の膜は通過せず、細胞外での仕事がメインです。


ビタミンB群のサプリメントを摂って頂いている方は、尿の色が鮮やかな

黄色になることが殆どですが、これは尿にビタミンB群が溶けて排出

されている証拠です。なんだ、やっぱり流れちゃうんじゃん、と思う

かも知れませんが、サプリメントを同様に摂っていても風邪を引いた時

や疲れた時には尿の色が透明に近くなるんですねー。これはそれだけ

ビタミンB群が細胞外の仕事で消費されたということの表れです。


なので、尿に排出されていると言うことはそれだけ仕事が十分行われた、

と見るべきなのです。これはビタミンCにも言えることで、必要な臓器から

順に配られる性質があるので、ビタミンCが尿に出るということは必要な

臓器に行き渡っていると見る事ができるのです。


このように必要な量を差し引いたものが尿に出ますので、心配せずしっかり

摂取すべきです。体調不良の時などは必要量が増しているので、さらに

多めに摂った方がいいです。

2014年7月3日 木曜日

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