栄養療法を行っていると、食事の指導に関連してビタミンやミネラル
の重要性に言及することが多いです。その中で結構言われるのが、
「ビタミンってすぐ身体の外に流れちゃうんでしょ?」
というもの。その後に続くのが
「だから、そんなにたくさん摂る意味あるの?」
です。今日はこの辺の解説を。
まず「流れてしまう」というのは尿の中に排泄されてしまう、という
ことですが、これは吸収がされていないわけではありません。口から
入れる限り吸収は腸で行われますから、尿に出るということは一旦
吸収はされているということです。そして尿という水分に溶けるのは
主にビタミンB群とビタミンCです。これらは水に溶けて油に溶けない
ので、油でできた細胞の膜は通過せず、細胞外での仕事がメインです。
ビタミンB群のサプリメントを摂って頂いている方は、尿の色が鮮やかな
黄色になることが殆どですが、これは尿にビタミンB群が溶けて排出
されている証拠です。なんだ、やっぱり流れちゃうんじゃん、と思う
かも知れませんが、サプリメントを同様に摂っていても風邪を引いた時
や疲れた時には尿の色が透明に近くなるんですねー。これはそれだけ
ビタミンB群が細胞外の仕事で消費されたということの表れです。
なので、尿に排出されていると言うことはそれだけ仕事が十分行われた、
と見るべきなのです。これはビタミンCにも言えることで、必要な臓器から
順に配られる性質があるので、ビタミンCが尿に出るということは必要な
臓器に行き渡っていると見る事ができるのです。
このように必要な量を差し引いたものが尿に出ますので、心配せずしっかり
摂取すべきです。体調不良の時などは必要量が増しているので、さらに
多めに摂った方がいいです。