アトピー性皮膚炎は花粉症と並んで、非常に遭遇することが多い疾患
であり、かつこの2疾患は根本治療が難しい点でも共通しています。
アトピーで掻きむしった創が湿潤療法で良くなる例はしばしば経験する
ところですが、これは決してアトピー性皮膚炎が治った訳ではありません。
湿潤療法は創の治癒機転を助ける治療法で、創の治癒には湿潤環境が
ベターであることからそう命名されています。つまり創を治すことに
特化した治療法であってその原因までもを治癒させているわけではない
のですね。アトピーでなくても、例えば主婦湿疹であったり、原因不明の
慢性湿疹であったり、全く同じ事が言えます。
アトピー性皮膚炎や花粉症はアレルギー疾患ですから、原因は当然
アレルギー反応です。ですから抗アレルギー剤を使用するのは決して
間違いではないです。ただこれもアレルギー反応を抑える治療法ですから、
なぜアレルギー反応が起きているか、を治療しているわけではないです
よね。なぜアレルギー反応が起きているかは、副腎疲労であったり、
腸管の炎症であったりするので、さらに深く治療を進めるにはその辺り
を検査する必要が出てきます。
残念ながら現在の保険診療の範囲ではここまで原因を追及する検査には
対応できていないので、どうしても抗アレルギー剤使用までで止まって
しまうのが現実ですけども。保険治療は対症療法と揶揄されても仕方が
ないところです。
それでも、医療に限らず常に「何故なのか?」を考える姿勢は身を助ける
と思います。時には仕方がないな、と受け入れることも大事ですが、それは
折り合いを付けるテクニックであって、原因を追及することとは本質的に
違うと思います。何故と問うから発見が生まれ、何故と問うから意志が
はっきりするんだな、と。
うーん、今年のドラゴンズが勝ち越せないのは何故なんだ…!(笑)