インフルエンザの話題もチョコチョコ聞きますが、
現在なぜか胃腸風邪が流行っています。あまり高熱
は出なくて突然の嘔吐、下痢で発症するという
パターンです。
こういう炎症症状があまり前面に出ていない病態は
西洋医学はほとんど無力です。嘔吐下痢による脱水を
防ぐために点滴をするのが関の山。嘔吐や下痢はウィルスを
体外に排出する反応だから仕方がない、あとは寝てるだけ、
みたいな。
では漢方薬ではどうかというと、半夏瀉心湯という薬や
柴胡桂枝湯という薬など候補はたくさんあります。
実際、結構効果があるのですが、嘔吐や下痢が頻回な場合
では薬がすぐ排出されるので、やはり無力と言わざるを
得ません。湯に溶いた漢方薬を肛門から管を挿入して
経直腸的に吸収させるという荒技(^ ^;)もあるのですが、
これだって下痢がひどければ無効です。
消化管が使用できない以上、やはり直接血管に投与するのが
論理的なんですが、漢方薬の注射液は開発されていません。
西洋薬では点滴液に吐き気止めや整腸剤を入れる工夫をしますが、
こういう時に漢方の点滴用製剤があればなあ、と思います。
薬価の問題や、生薬輸入の問題で漢方メーカーはどこも汲々と
していますが、点滴製剤を開発できたら救急でも使用されて
随分と重用されると思うんだけどなぁ。
メーカーの偉い人、これ読んでたら連絡下さい。(笑)