院長室

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軽傷こそ丁寧に

湿潤療法の特徴の一つに、処置時の痛みの少なさが

あります。血液で乾燥したガーゼをベリベリはがす

のって想像しただけでも痛いですよね。(^_^;)

それがないだけでも患者さんにとっては大きいもんです。

と言うことは、もっと積極的に湿潤療法が広まっても

不思議じゃないんですが、そうでもないのは、それは

医師本位の治療がまかり通っている証拠でしょう。


外科系の医師は大なり小なり救急でキズは診ています。

僕もそうでしたが、命に別状がない、あるいは手術の

必要がないケガだと、ホッとすると同時に「軽傷」だと

思ってしまうんです。すると患者さんが痛いと言っても

「軽傷だから大丈夫」とか「これくらいは我慢しなさい」

みたいな発言になってしまいます。


救急の現場だと確かに時間的に厳しい場合もありますが、

軽傷だから雑でいい、なんてことはありません。痛みが

少ない処置はどれだけ患者さんが楽か、をもっと考えない

といけないと思います。


少しずつ湿潤療法も市民権を得てきてはいますが、認知され

つつあるのはむしろ患者サイドで、肝心の医師サイドはまだ

まだ十分とは言えない現状は、痛みなく工夫しようとする医師が

少ないからだと思います。

2012年3月15日 木曜日

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