湿潤療法の特徴の一つに、処置時の痛みの少なさが
あります。血液で乾燥したガーゼをベリベリはがす
のって想像しただけでも痛いですよね。(^_^;)
それがないだけでも患者さんにとっては大きいもんです。
と言うことは、もっと積極的に湿潤療法が広まっても
不思議じゃないんですが、そうでもないのは、それは
医師本位の治療がまかり通っている証拠でしょう。
外科系の医師は大なり小なり救急でキズは診ています。
僕もそうでしたが、命に別状がない、あるいは手術の
必要がないケガだと、ホッとすると同時に「軽傷」だと
思ってしまうんです。すると患者さんが痛いと言っても
「軽傷だから大丈夫」とか「これくらいは我慢しなさい」
みたいな発言になってしまいます。
救急の現場だと確かに時間的に厳しい場合もありますが、
軽傷だから雑でいい、なんてことはありません。痛みが
少ない処置はどれだけ患者さんが楽か、をもっと考えない
といけないと思います。
少しずつ湿潤療法も市民権を得てきてはいますが、認知され
つつあるのはむしろ患者サイドで、肝心の医師サイドはまだ
まだ十分とは言えない現状は、痛みなく工夫しようとする医師が
少ないからだと思います。