当院の治療

漢方薬

漢方医学の“切り口”その参

漢方医学の“切り口”その参

「陰-陽、虚-実、寒-熱、表-裏?」
これは単に反対語を対にしただけなのですが、この4対8項目が病気の性質を表しています。どちらが良いという訳ではなく、それぞれどちら寄りなのかで合う薬が全く違ってくるのです。例えば膝が痛くて来院された患者さんでも、赤く腫れていてズキンズキンしている方と、皮膚に張りが無くて冷えると痛くなる方とでは、処方する薬は違います。むしろ逆の薬を使ってしまった場合は悪化させる危険さえあります。

特に虚-実の判定は重要で、「実」の場合は体に余分な物がある状態なので、「捨てる」作用のある薬を使いますし、「虚」は体に何かが不足している状態なので「補う」薬を使います。「虚」の状態に間違って「捨てる」薬を使用してしまうと、「虚」をどんどん強めてしまうので非常に危険なのです。

最近世間をにぎわしている「メタボリックシンドローム」も漢方医学的に言えば、脂肪分が余っている状態ですので「捨てる」作用のある薬=瀉剤(しゃざい)を使います。