漢方医学の“切り口”その壱
「気?血?水?」
いきなり意味不明だと思いますが、身体を循環する大事な因子を大雑把に3つに分けると、「気」「血」「水」になるとの考え方です。口から入れた栄養は「血」液に乗って身体を巡りますが、血管から細胞に栄養が取り込まれるためには、その間に多くの「水」分があります。そしてそれらの運行力となるのが「気」であると言う訳です。
この気・血・水のどこに異常があるのかによって、それぞれ特徴的な症状が現れるので、それに対応した薬を処方していきます。例えば「イライラする」や「熟眠感がない」などは「気」の異常ですし、「胸がつかえる感じがする」とか「食後にムカムカする」なんていう症状も「気」の異常と見ます。「血」の異常では、「貧血」「下肢の静脈瘤」や「冷え」などが関連付けやすい症状ですね。意外なところでは、「痔」や「抜け毛」、「肌荒れ」なんかも「血」の異常です。「水」は「むくみ」や「めまい」が有名ですが、「頭痛」や「多汗症」の原因になったりもします。
また、これらの異常が混在している場合もあり、「腰痛・肩こり」、「更年期障害」、「不妊症」など原因が一つでない場合には、複数の薬を使って治療することが多いのです。