症例報告

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骨折の基本治療

・骨折と言ってもピンからキリまでありますが、「ズレがあるかないか」が大きく治療を左右します。大雑把に分ければ、ズレ(転位と言います。)があれば手術、なければ保存治療になります。保存治療とはギプスやシーネで動かないように固定することです。固定して骨折部が良い位置にあれば、骨は着くのですが、その治癒機転は隙間を埋めるように新しい骨ができることによるので、骨折前よりもどうしても若干太くなります。
・骨が着くまでは、いくら小さい骨でも、平均4週間くらいはかかります。固定をしたまま4週間もいれば、関節は硬くなるので、固定が外れた後も硬さを取るためのリハビリが必要になることが多いです。リハビリの期間は関節の硬さにもよりますが、およそ固定期間の倍かかります。
・一度、骨折するとおおむねこのような段取りで進みますので、結構腰を据えなければいけません。患者さんはショックですが、仕方がありません。神様からもらったものが壊れると、戻るのには時間がかかるんだよ、なんて説明をしていました。

2009年2月23日 月曜日

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小青竜湯

・各媒体で最近漢方薬が取り上げられるようになってきました。それは我々漢方を使う医師にとっては喜ばしいことです。今は花粉症シーズンということで、アレルギーに効く漢方薬なんかの特集をちらほら見ます。以前にも小青竜湯という薬は紹介しましたが、少し詳しく解説します。
・小青竜湯という薬はアレルギーの中でも「水っぽい」症状がメインの時に使います。花粉症であれば、鼻水や流涙が主症状の時によく効きます。「知らないうちにサラサラの鼻が垂れる」なんて人は丁度良いでしょう。
寒い所に行くとくしゃみが出て鼻がつまる、眼や鼻・ノドがムズムズするという人には麻黄附子細辛湯という薬の方がよく効く場合が多いです。また、眼が充血する、鼻の粘膜も赤くなって鼻づまり、咳まで出る人には「冷やす」効果を加えた越婢加朮湯という薬が良いです。もちろん例外もありますが、今はこの3剤が大活躍です。

温める?冷やす?

・腰痛やねんざなどで、患者さんから「温めた方がいいですか?冷やした方がいいですか?」と聞かれることがあります。こういう場合のルールは一つで、「受傷直後はよく冷やす!それ以外は気持ちいい方を」です。ねんざや打撲などで赤く腫れている時は炎症が強い証拠で、その名の通り「燃えている」状態なので冷やさねばなりません。逆に「何ヶ月も前から痛い」状態で赤くも腫れてもいなければ、どちらでもいいです。一番分かり易いのはお風呂に入った時で、「あったかくて気持ちいい~」と感じれば温めた方がよいですし、「温めるとドクンドクンしてうずく」場合は冷やした方が良いでしょう。
・そこで「冷湿布と温湿布」ですが、湿布はそもそも温度を左右しません。むしろ痛み止めの薬と思った方が良いと思います。冷やすなら氷に勝る物はありませんし、温めるならば湯たんぽやカイロの方がはるかに勝ります。日本人は体が冷える傾向にあるので温める方法を知ることは大切です。生野菜や果物は体を冷やすので、冷え症のある方は調理して食べる方が良いかも知れません。

2009年1月31日 土曜日

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骨粗鬆症

・ご存知の通り、骨粗鬆症とは骨がもろくなる病気です。病気とは言っても骨は老化に伴い必ずもろくなるので生理現象と言えなくもありません。しかし、超高齢化が社会現象となっている日本では深刻な問題です。やはり何と言っても骨粗鬆症で恐いのは骨折です。骨粗鬆症自体にはあまり症状がありませんから、骨折してから診断されることが多いのが現実です。骨粗鬆症で骨折されるのは高齢者ですから、そのまま寝たきりになってしまったり、車椅子生活になってしまったりする事が多く、つまり「骨折してからでは遅い」のです。
・そうなるといかに「予防」するかが重要です。女性では骨の強さが女性ホルモンに依存しているので、閉経と共に骨は急激にもろくなっていきます。レントゲンだけでは骨の強さは数値化できませんから、骨密度検査を行います。骨密度が一定値を下回っていれば、薬を飲んだ方がいいとされています。特に症状はなくても年に一度は年中行事だと思って(?)検査することをお勧めします。

2009年1月30日 金曜日

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痛みの場所

・昨日の診療で「膝が痛い」という方がみえました。水も溜まっていないし押しても痛くない、レントゲン上も多少のすり減りはあるもののそれほどひどくありません。痛み止めも効かないし、マッサージも効果はその時だけと困っているようです。よくよく話を聞いてみると痛いのは膝の上で太ももの下の方、さらにおしりの辺りからも痛むそうです。こういった関節から外れた箇所の痛みは腰から来ることが多いのです。そこでAKA-博田法を施行しました所、完全ではありませんが改善が見られました。
・整形外科医にとって関節の病変が乏しいと、つい軽んじてしまいがちです。痛みを客観的に数値化できない以上、絶対にその存在は疑ってはいけないと思います。現に今日の患者さんの痛みは腰から来るものでしたし、そうでなかったとしても必ず原因はあるはずです。患者さんが「痛い」と言っているのに「大丈夫」というとんちんかんな返答は禁物です。

2009年1月27日 火曜日

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