あまり病気という扱いは受けませんが、多汗症に悩まされる方は多いです。中年女性でのぼせやほてりと共に顔に汗をかく場合は、更年期障害と捉えての治療が効果を上げる場合が多いですが、そうでなく、緊張や不安、時には理由無く手の平や足に汗をかく場合は治療に難渋します。特にこの季節は多汗による皮膚のトラブルも増加しますので、患者さんはかなりツライと思います。こういう場合、湿疹の治療をしても汗の調節がうまくいっていなければ、すぐに再発するので根本治療には成り得ません。
こんな時に頼りになるのが補中益気湯です。気力を引き上げる薬として何度か紹介した薬ですが、汗の調節にかけても効果を上げます。汗をかく部位だけアトピーがひどくなる、なんて場合にも効果が期待できます。夏バテで食欲が落ちている時にもよいので、この時期は一石二鳥の優秀なお薬です。