症例報告

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膝の水

いまだに患者さんに強く信じられている都市伝説(?)の一つが

「膝にたまった水を抜いたらクセになる」

です。全くのウソ、というわけではないですが、これを

理由に関節穿刺を拒否されるケースがしばしばあるので困ります。


そもそも関節の水は、抜くことが大事なのではなく

「溜まっている水の性状を見ることが重要」

なのです。簡単な分類を以下に列記しますと、

 1. 透明な黄色い水

 2. 透明な黄色い水だけど白いカスが浮いている

 3. 白や緑がかった濁った水

 4. 血液

ほとんどの場合は1. で、これは純粋に炎症がある証拠です。

2. も炎症ですが、カスがある場合はこれが原因で炎症を起こしますので、

この場合は何度も水がたまる可能性があります。

「クセになる伝説」が生まれた原因は、このケースでしょう。(笑)

3. は何らかの感染状態にある場合です。偽痛風でも見られます。

4. は靭帯損傷や骨折を考えねばなりません。外傷がほとんどです。


というように、水の性状でおおまかに診断していきます。診断によって

治療方針も変わりうるので、もし周囲に都市伝説を信じている方がいたら

教えてあげて下さい。


…と言っても、意外に医者の言うことの信頼度は低いもんです。

都市伝説以外にも、「知り合いが言ってた」とか「テレビでやってた」情報の

方がはるかに根強いようなのです。

ので、上記情報は「三国連太郎さんと八千草薫さんが言ってた」としておいた方が

いいかも知れません。(笑)

2009年12月27日 日曜日

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