トリカブトというと一昔前の推理小説で
よく毒殺の手段として登場した強力な毒です。
実際に、矢じりの先に塗って狩猟にも使われて
いたそうです。
このトリカブトの根っこが実は生薬として
使われています。
附子(ブシ)という生薬がそれで、真武湯(シンブトウ)や
牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)、麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)
といった漢方薬に含まれています。
ええっ!毒飲んでんの?!と驚く事なかれ、トリカブトを
何百倍も薄めて毒性をなくしたものが附子なんです。
毒性がなくなる代わりに、身体を温める作用と鎮痛作用が
残りますので、「冷えると痛む」なんて場合に最適な
生薬となるのです。冬場の寒い時期に大活躍します。
ただ、医療用で使う附子は細かい粉末状になっており、
その上とても苦いので、単独で口に入れると口の中に
へばりついてとんでもない苦痛を味わいます。(笑)
必ず他の薬と一緒に服用することになっています。
というわけで、殺意を抱くような憎い人のお茶の中に
ササッと附子を入れても神経痛が治っちゃうだけなので
注意して下さい。(?笑)