特に腸に異常はないのに、ストレスや緊張で腹痛や便秘、下痢を起こす疾患を
過敏性腸症候群と言います。昔は学校に行きたくないとよく「お腹が痛いよ~」と
ウソをついてズル休みしたもんですが(笑)、実際こういった症状で悩まれている方は
多いです。トイレに行く不安からさらに緊張し、悪循環にはまり、外出もままならない、
なんて場合もあるほどです。
これは特別小児に多いというわけではなく、成人にもよく見られます。西洋医学的には
異常所見がないので、治療に難渋することがありますが、腸の機能と「気」の異常は
密接な関係があるので、漢方薬が効く場合が多いです。
頻用されるのは桂枝加芍薬湯というお薬です。「気」の流れを改善し、腸の緊張を取ります。
小児にはこの薬に水あめの成分を加えて甘くした小建中湯という薬を使ったりします。
また、このように腸の機能が悪い場合、花粉症やアトピーなどのアレルギー性疾患も
併せ持っているケースが結構あります。このことから腸の機能とアレルギーが関係していると
捉える事が出来ます。実際漢方では腸を元気にさせることが身体の根本的改善につながると
考えますから、桂枝加芍薬湯を継続することで、腸の症状のみならずアレルギー体質の改善を
も期待できるのです。
アレルギー疾患が増加している現代では、とても将来性のある薬かも知れません。